プロローグ

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肉をかきわけ、骨をゆがませ、アクマの骨組みがBの体内に押し入っていく。 ―イヤだ。見たくない。こんな光景見たくない! 「ハイ、待つこと三分❤Bさんの皮を着た、Aさんのアクマの出来上がリ―❤」虚ろな目をし、邪悪な笑みを浮かべたBさんが起き上がった 「うまく造るポイントは、Bさんをちゃんとダマすコトでス❤」 千年伯爵が満足げな笑みを浮かべる。人の愚かしさを嘲笑うのがこのうえもなく楽しいと、その笑顔は雄弁に語っている。 ―千年伯爵。アクマの製造者であり、この世界を終焉〔デス〕へと導く者。 千年伯爵は消え、また暗闇が戻った。 ―アクマって何だ? ―アクマとは、死者に生き返ってほしいと切に願う生者の弱みにつけこみ、更なる悲劇を引き起こして生まれる者。 ―僕は、僕は―。
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