第14章

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いつから、私の記憶は曖昧になってしまったんだろう。 完全記憶能力 そんなものに、縛られてきたのに 簡単に記憶をなくして ほんと、単純な能力だ。 でも、ひとつ思い出せば芋づる式で次々と思い出していく。 なんて、馬鹿げたことなんだろうか。 思い出したくないことばかりの、私の記憶なんか消えたままでよかったのにね。 ろくな記憶なんかないんだから いっそのこと、私自体が消えてしまえばいいのにね。 「鞠、これ美味しいよ」 あれから、遠矢が聖朧に住み着いた。
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