第16章

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「鞠! 早くしなきゃ、怒られるよ!」 君は、そう言って私の手をつかみ走り出す。 『走らないで。 転んで怪我したらいたいよ』 「もー、そんなことは二の次!! 新(アラタ)達に怒られちゃう方が、嫌だー!」 『私は、関わらないって言ったでしょ? 季咲(キサキ)だけでいけばいいじゃない』 私は、そう言いながら君の手を振り払う。 「どうして!! 新たち、鞠になにもしてないよ?」 君は、私を見て言った。 『なにもしてないって、私たち巻き込まれて、それで守る? 私は、ごめんだね』
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