第16章

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「そんなものは、弱いものがいう言葉だ!」 暁斗は、そう怒鳴った。 『・・・そうかもね』 私は、そうぼそりと呟いた。 『でも、暴力は嫌いよ。 惨めで人が死んでしまう可能性だってある。 そんなものに頼らなきゃ、生きていけないならいっそ死んでしまった方がまし』 「俺らは、武器を使わない」 新は、そう言った。 『武器を使わなくても人は、死ぬんだよ。 殴っただけでも人は死ぬ。 ・・・随分、綺麗事言うんだね』 「それをいうなら、言葉でも人は死ぬよ」 來斗は、そう言った。
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