第16章

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「鞠待って!」 それでも、君はなにかにすがりたいらしい。 私は、出たところでピタリと立ち止まる。 「私を、おいてかないで!」 『勝手についてくればいい。 もう、君には失望したよ』 「・・し・・・つ・・・望?」 『言ったでしょ? 期待するな。 信用するなって』 それはね 『私に対しても、いつでも疑ってなきゃいけなかったんだよ』 「どうして」 君は、そう呟いた。 「ならどうして、私を拾ったの!!」 『拾ったつもりはないね。 私はただ、チャンスを与えたに過ぎない。 君が、生きてくためのチャンスを与えただけ。 それを、無にしたのは君だ』
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