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『・・・蒼龍のことなんか、忘れたままでよかったのに』
私のそんな呟きは、誰に聞こえるでもなく消えていった。
私は、ボーッと下っ端がバイクを楽しそうに弄っているのを見ている。
ふと目に写ったのは、マサだった。
バイクの前で、ずっと座り込んだまま何かしている。
私は、そんなマサに近づいた。
『マサ、何してるの?』
私の存在に気づかなかったのか、かなり驚きながら振り返った。
「鞠ちゃん!
いや、実は近々クリスマス暴走があるんでバイクの整備をしてたんすっけど、なんか調子が悪いんすよ」
マサは、かなり困った顔をしていた。
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