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美世は慌てて首を振った。 怪我人じゃ、ないし......それより、この先に何があるのかも知らないし。 困った顔をしていると、相模は少しだけ眉を寄せて手すりから身体を離した。 「ん?怪我人じゃないの?......あぁ、君一年生?」 美世は何故だか声が出せず、コクリとうなずいた。不思議な螺旋階段と、白衣の男という組み合わせに、気後れしていたのかもしれない。 相模はもう一度手すりに寄りかかると、言った。 「この階段の先は、保健室だよ」 ......あ、だから"怪我人"かぁ。 美世は今更気付いて、不思議に思った。 普通、保健室って一階にあるよね?どこの学校でもそうだよねぇ......? 相模は階段の途中に立ち尽くす美世を見下ろしながら言った。 「で、怪我人じゃないなら、どうしたの?病気かな?人生相談かな?」 美世は一瞬悩んで、答えた。 「......人生相談、で」 相模はわずかに首をひねり、小さく息を吐くと手招きした。 「そっか。ほら話なら中で聞くから......あがっておいで」 美世はその手招きに誘われるように階段を一段ずつあがっていった。
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