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「今日はもう終わりだもんね。美世はどう?」
「うん。私も行きたい!」
司の誘いに美世がうなずく。
仁美は司とは小学生の頃から友達で、しょっちゅうトラブルに巻き込まれる司を助けてくれる親友だ。
さっぱりと短く切った髪と、明るい太陽のような笑顔で元気な女の子。運動神経も良く、足が早い。
先月、片思いしていた先輩に"過去の気持ち"として告白した事も。
いつもは用事があると言って、二人の誘いを断る美世がうなずいたのを見て、司と仁美は目を見開く。
「「珍しいねー!」」
「ハモんないでよー!」
「まぁ、美世のお話は後でたっぷり聞く事にして、早く帰ろ?」
仁美が帰りの支度をしようとして、ふと手を止めた。
「......みなさん?先生の話、聞いてますか......」
教壇から、震える声が聞こえてきたからだった。
「まだっ。ホームルームが残ってますぅ~!......ぅわぁ~ん」
このクラスの担任の川野 愛美<カワノ エミ>が泣きながら教壇に伏せた。
見た目、顔、声、動き。すべてが可愛らしい川野は、見た目二十代で三人の子持ち。本当の年齢は誰も知らず、とても泣き虫な先生はクラスでも人気だ。
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