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川野が泣き出すと、クラスの生徒は帰り支度をする手や、お喋りを止め、川野を泣き止ませる作業に入る。泣かせておくと、それこそホームルームの時間が無くなるのだ。 男子生徒の熱烈?な慰めと、女子生徒の献身的な言葉に川野がやっと泣き止むと、ホームルームが始まった。 「......ぐずっ。では、みなさんまずは、お疲れ様でした。来週からは各教科で答案用紙の返却が行われますので、お楽しみに。......次に連絡事項ですが......」 川野はまだ涙に濡れる大きな瞳を揺らしながら、ホームルームを進めていった。 そんなホームルームも終わり、放課後。といっても、今日は四時間目までしか無かったので、時間は昼を過ぎた頃だ。ちょうどお腹も減ってくる。 川野が教室を出ていくと、教室はまた騒がしくなった。 支度を再開した司と、美世の所に仁美がやってくる。 「どこいく~?ごはん食べるでしょ?」 「そうだね、いつものファミレスでいいんじゃない?」 「駅前の?あそこパスタ美味しいよね!」 仁美に司が答えると、美世も賛成した。行き先も決まり、支度を終えて三人連れ立って教室を出る。
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