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同空域
第501統合戦闘航空団所属サーニャ・V・リトビャク中尉とエイラ・イルマタル・ユーティライネン少尉
高度6000m
サーニャは今日も歌を歌いながら、夜間哨戒の任に着いている。その手には、フリーガーハマーが握られていた。
隣には、たまにだが、エイラが一緒に飛んでいる。
「なぁサーニャ、今度一緒に買い物に行くか?」
「うん」
彼女は夜型のためか他の隊員達と活動時間が全く違う。そのためか一人になりがちになりやすいが、エイラが心配してくれるため、最近は一人になることが減っている。
「…?」
「どうした?」
「何だろ?いま…」
サーニャは確かに感じた。自身の固有魔法…哨戒レーダーに反応があった。
(気のせいかな…?)
「まさか…ネウロイなんかじゃ…」
エイラが心配そうになる。
しかし、サーニャは首を横に振った。
「違う…別の何かみたい」
「ネウロイじゃないのか?」
「うん」
「じぁあ、いったい何なんだ?」
エイラは、敵ではない何なのか、考えていた。
「エイラ?」
「いやいや、何でもない」
エイラは何でもないかのように、振る舞う。
その日は、ネウロイは出ずに済んだ。
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