1人が本棚に入れています
本棚に追加
斬新な企画に町は躊躇ったものの、ユリの熱意と地域振興課課長の川童淳一(かわどうじゅんいち)の考え抜いた末の勘案により、町長始め町議会の面々もなんとか首を縦にした。
そこからは早かった。
ユリが直ぐ様、東京からスタッフを呼び寄せ、淳一と炭坑を管理していた部署の人間とで調査に入った。
保存会が定期的にメンテナンスしていたこともあり、幾つかの掘削工事をすれば問題はなそうであった。
アトラクションの最も怖い部分は、暗くした炭坑を突き抜け、日本海に飛び出てからまた戻るというとんでもない仕掛けである。
適切な場所を探しに関係者で出入りする内に、すっかり内部を把握したユリは淳一を誘い二人で炭坑に入った。
炭坑内は既に工事に向けた準備が進み、色んな資材・機材が持ち込まれていた。
中には、ダイナマイトも。
.
最初のコメントを投稿しよう!