甦生界

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水面には自分の顔が映っていた。 (地味な顔。) だんだんと思い出してくる。 自分の名前、自分の年齢、自分の性格。 今どきの女子高生とは思えないほど地味だったのを思い出す。 化粧もしない、ファッションにもこだわらない、髪ものばしっぱなしてセットもしない。 地味というよりだらしないだけかもしれないが。 だが楽しかったことも、苦しかったことも思い出せなかった。 ―――。 しばらく水面に映る自分を見ていた。 どれくらい時間が経っていたのかは分からない。 ただ何も考えずに自分を見ていただけ。 (私は……。) 「んっ!!」 頭に激しい痛みが走る。 (……自殺?)
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