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「……んあ………」
次にアルが目を覚ましたのは、どこかの部屋だった。
「あ、トウジ、アルファルドくん起きたよ」
気絶したアルを観察していたライラが、トウジの方を向き直る。
「……あー……クソッタレ。……んだここ……?」
見たところ、自分の寮部屋に似ている。が、自分の部屋ではない。
「ここは僕の寮部屋だよ」
だそうだ。
「……主犯は大方テメェだろうな……ヒサカタァ……」
唯でさえ嫌いなやつにこんなことをされて切れるなというのは、無理な話だろう。
「無駄よ。話が終わるまで帰らせないわ」
ツンデレフィアが言いました。確かに、アルの手足は氷で拘束されて、動けないようになっています。
「……さっさと終わらせろ。俺は早く帰りたいんだ」
「分かった。……君は地球にいた、そして、僕と友達だった……そうでしょ?《黒崎 凛》」
「でさぁ、その《黒さキリン》って誰だよ」
「もしかして……覚えてないの?君の名前だよ、凛」
しばらく首をひねって悩む。
「……いや、覚えてない。知らん」
「でも、僕のことは……」
「ほんっとうに残念ながら記憶に残ってしまっている」
「やっぱり…凛なんだ。……よかった」
ほっと、トウジは胸を撫で下ろした。
「……もういい?終わった?帰っていい?ちょっと、冷たいんだけどこれ」
空気を読めていないっちゃあ読めてない。
「え?あ、あぁごめんね?マリー、解いてあげて」
「はい」
と、サイドテールマリーが、アルの手足を拘束している氷を解く。
「ふぅ……。さてお前らこんな手を使ったんだ。覚悟は出来てんだろうな、えぇ?おい」
アルは手首をさすりながらこう言った。
「なっ……!」
「ひっ……!」
まず驚いたのはツンデレフィアとマリー。
「ダイジョーブ。殺さないから。……ただ、体中痣だらけになルケどネ」
そう言って、取り出したのはM93R。二丁。M9を改良した短機関銃で、セミオートと三点バーストに切り替えが可能。
使用弾薬はゴム弾。
その後、悲鳴と銃声がトウジの部屋から聴こえた。
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