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トウジは起き上がろうとするが、彼の首にはアルの警棒の切っ先が。
「……しょ、勝負あり!勝者、アルファルド!!」
少々うろたえながら、ユラーナが言った。
「嘘……」「あのヒサカタが負けた……?」「勇者なのに……?」「アルファルドってすげぇな……」
ギャラリーから、そんな声が次々に上がる。
「いてて……アルファルドくん、強いねー」
……腰をさすりながら、トウジは立ちあがる。
トウジはアルにとっては最早空気。何のそぶりも見せず、フィールドから出る。
「ヒサカタも早くフィールドから出るんだ。次、×××××と×××××、来い」
―――――
「―――今日出た宿題、忘れずにやってくるように、いいかグレトス」
「え、なんで俺名指しなんですか!?」
「お前がいつも宿題をやってこないからだろうが」
なんてやりとりが行われ、教室が少し笑いに包まれた。
(……そういえば、今日メンバー達と顔合わせだったな。早めに帰ろうか)
アルは教室の笑いをなんとも思っていなかった。
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