シュヴァリエ デ リュミエール

かっぁくぉこっけっこぉー！けたたましい鶏の声が聞こえて、ライトは起きた。

リュミエール騎士団は表だって活躍する組織ではないため、ライトたちが泊まった宿のベッドは少しカビ臭かった。

「・・・うっぎぃぃ。」
少し変な感じに体を伸ばした。埃が宙を舞う。

「・・・ジラルドは・・・？人を調べるのが、大好物だからな。もう、外に出て調べてるんだろ。」
ライトは急がない。手持ちのロングソードを背負い、ゆっくりと宿を出る。

人々が噴水の周りに集まっている。その人々は神々しい者を見るように、拝む者までいる。
「あの中心にいるのが、この街の領主様アドリシア・ワイズ卿様だ。あの御方がこの街にいるだけでこの街は安泰だ。」
街の男が話しかけてきた。

よく見ると、人々の中にジラルドがいる。その表情は明らかに周りとの温度差を感じる。

「あの御方は考え方がすばらしい。この街のすべての人は、あの御方の信者だからな。」
・・・信・・・者？
信者だとしても、この男に不審な点はない。操られている節もない。

「この街に変な・・・噂」「ない！この街は幸福で溢れている。」