シュヴァリエ デ リュミエール

12/94
前へ
/160ページ
次へ
大通りから外れた道を、ライトが歩いている。気にはしていないが、ひしひしと視線を感じる。ヒソ・・・こんな所に観光客が何しに来たんだ? 確かに観光するには何もなく、賑わってもいない。 ライトは道の真ん中で止まった。 ・・・その瞬間を待つ者がいた。 「リュミエール騎士団は、この地に血を流しにきた。」 ギュイン!ボウガンから閃光の矢が放たれた。 素人が扱うには、狙いが不正確になる。矢先は真っ直ぐ・・・街の男の子を捉えている。 バッシュ! その手にはボウガンの矢が握られている。 シュゥー 手のひらが赤みを帯びている。 「痛ってぇな。見られているのはわかってはいたが、命を狙われるとはな。」 矢が飛んできた方向を見る。 男の子は変わらず、遊んでいる。 姿はない。 手に持った矢を地面に投げつける。その顔に怒りの表情がみてとれる。 「それが、おまえらの態度か?」 ライトの声が漏れる。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加