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「神が清く正しいのは、神話の世界だけだ。この街の神は黒く、欲にまみれている。我は金が好きだ。」
人の前では言えない言葉で、ストレス解消をしている。
だが、人がいない訳ではない。領主に敬意を払う様子もない。
バトラーは口を開かず、直立不動の姿勢を保っている。
「私は出てきます。」
「何を考えている?主人に敬意を払う訳でもなく。」
ギィ!扉を開けてバトラーが姿を現し言った。
「敬意は払っています。あなたの、お金があるうちは・・・。」
ワイズ卿の首筋に冷や汗が流れる。そして、足もとがふらつき、机にもたれかける。
足がもつれる。
「金・・・。」
中庭に鋭い閃光が走る。
「あいつは、もう・・・だが、今はまだ・・・。」
「彼がいるから、ここまで誰もいなかったのでしょうかね。」
ジラルドが遠くから望遠鏡で覗いている。
ガタッ!
遠くから視線に望遠鏡の目を離す。
「見えてはいないでしょうね。
気配を消したはずでしたが、何かを感じたんでしょうか?」
風で望遠鏡のガラスひにひびが入る。
パリッ!
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