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ライトは足早に広場に戻っている。名を語ることなく俺たちの存在を知っていたことが気がかりでならない。
「この箱の中身は、きれいに片付いているように見えるだけか?」
ライトが着いた頃には広場は先程とは違い、人の行き来は疎らになっていた。
「そうだなぁ?その林檎を2個くれ。」
ライトは青果店にいた。
「それだけでいいのかい?メロンにメロンに今日入ったドリアンは要らんか?ドリアンのこの臭さは・・・。」
「いらん。それにドリアンは臭いから、早く手放したいだけだろ。」
林檎が宙を舞う。
「まいどありぃ!」
店主はハスキーな声で応えた。
足を滑らしたジラルドの手を掴んでいるのは・・・
バトラー!
剣先がこちらを向いている。
殺される・・・ジラルドの手が冷や汗で滑る、その方がいい。
だが、バトラーは不敵な笑みを浮かべながらレイピアでジラルドの心臓を突き刺す。
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