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『お前…今つまんねーだろ』
くそ…くそくそくそ!!
先輩は尚も俺を刺激するような事を言う…
『ハァ…俺は別にお前を勧誘するつもりはねーよ…』
俺は耳を疑った…なら何で…
ずっと先輩を押さえ付けていた手の力が薄れていく…
俺の動揺した顔を見た先輩は、掴んでいた俺の手を勢いよく払い同じ言葉を言う…
『だから!別にテメーなんかいらねーっての!』
先輩は少し離れて、いきなり俺に指を指した…
『第一な!俺は一度もお前を誘うような事はしてねーぞ!』
『だってさっき煙草を…』
頭が真っ白になっていく…確かに思い返してみたら、煙草を捨てられただけで…勧誘なんかされてない…
『煙草?あー…あれは体に悪いから捨ててやっただけだ!』
あー…なんか腕を組んで仁王立ちしてる先輩の後ろに効果音が見える…漫画とかである”ドドーン”ってやつ…
…完璧な俺の勘違い…恥ずかしい…なんか恥ずかしい…
『す…すみませんでした…先輩…』
俺は深々と頭を下げ平謝りをする…
だが先輩は何も喋らず、無言のままドアの方に歩いて行った…
やっぱ怒るよなー…俺だったら蹴り入れちゃうもんなー…
俺は恐る恐る顔をあげると…何故か先輩は入口の辺りで背中を向けたまま立っている…
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