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春……
俺は、入学と同時に柔道を捨て…
不良になった……
…………………………………
でも…何か物足りなさを感じている…
友達だっている…女だっている………毎日喧嘩をして憂さ晴らしもしている…
だけど…今の俺は全てが薄っぺらく感じてしまう……
………………
『おーい英雄ー、大丈夫かー?』
友達に話し掛けられ、フと我にかえった。どうやら俺はまた考え事をしていたらしい…
『あ…あぁ…悪い、何でもねーよ…』
『本当かー?この頃のお前って、気が付くとボーっとしてるよな』
よく見てらっしゃる…因みに今話してるコイツは《横田 竜司》…小学生の時からの悪友であり親友でもある…
『本当だよ!せっかくの花見なんだから、もっと飲もうぜ!』
『んー…そーだな!』
竜司はここに来る前に買ってきていた、缶ビールを俺に渡し…”いやーやっぱ夜桜にビールは合うねー”と、親父臭い事を言う…
『なぁ竜司…お前は何歳だよ…』
俺の呆れた言葉に竜司は、満面の笑みで…知らない…なんて言う…昔から馬鹿だったんだよな…
俺は溜め息をつき、持っていたビールを飲んでいると竜司がぽつりと呟いた。
『英雄はさ…もう柔道はやらないのか?』
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