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『今のお前には必要ねーだろ』
先輩が何を言っているのかわからなかった…
いや…分かろうとしなかった。だってこのパターンは…
『はぁ…先輩も勧誘にきたんすか…』
俺はウザったそうに頭を掻きながら先輩を見る。
先輩は俺の問い掛けに無反応で全く答えようとしない…
…ちっ…なんだってんだ…
『先輩…先に言っときますけど、俺はもう…』
『柔道をやる気はない…だろ?』
先に言われちゃったよ…てか、何だそのどや顔は。ゴリラの分際でこんちくしょう…
『ええ…正直もうウンザリ何ですよ…中学で全国に行ってからは、ほぼ毎日のようにスカウトはくるし…スカウトを逃れこの学校に来ても先輩以外からは勧誘を受けましたよ…』
俺は怒りを抑え普段通りに話をしようとするが…
『でもよ…それだけの理由で柔道を捨てた訳じゃないだろ』
先輩は的確に見抜いてくるわけで…俺は昔を思いだし、怒りが溢れ出てしまった…
その勢いで先輩の胸倉を両手で掴み、壁に押し付けてしまう…
『あんたに何が分かるよ!何も知らないで俺を諭そうとするんじゃねーよ!』
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