プロローグ

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よし! 藤木はデスクに戻るやいなやパソコンの電源を切り、帰ろうと席を立った。 「あんた、分かりやすいよね。」 隣の席の2つ年上の先輩、安井由美だった。 「すみません。先輩はまだ残業ですか?」 「今日は遅そうだね。まっ、金曜だし羽根伸ばしてきな。」 安井由美。27歳。美人なのだが仕事人間と気の強さが裏目に出て、彼氏はいない。 後輩の面倒見が良く、藤木の良き相談相手でもある。   「はい!お先です。」 そう言うと、藤木は小走りでオフィスを出て、タクシーで居酒屋へ向かった。
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