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影虎:『突然どうした?』
家臣:『我々は越後の国を治めるは影虎様とお見受けいたしております。』
家臣の言葉を聞いた影虎は顔をしかめる。
影虎:『なにぃ?この越後の国は兄上が治めておるではないか!?何故我に継がせる必要がある。』
家臣:『兄上様におかれましては病弱でいらっしゃり、さらには戦を恐れておるようです。
このままではこの越後は近いうちに滅んでしまいます。何卒兄上様に代わり越後をお治め下さい。』
家臣達は一斉に頭を下げた。
影虎:『嘆かわしい。』
家臣:『はっ?』
影虎:『お主達は先の戦で人々をことごとく討ち取ったばかりか我には兄上に謀反を起こし跡目を継がせようなどと‥‥。』
家臣:『しかし‥‥このままではこの国は‥‥利幸殿!!お主も何か言わぬか!』
家臣達は利幸に助けを求める。
利幸:『拙者は殿の意見に従います。拙者も殿同様、そんな卑劣な手をとりたくはござらん。』
家臣:『なっ‥‥この乱世に卑劣もなにもない!!やらなければやられる!!それがこの乱世の運命だ。』
この言葉に影虎は立ち上がった。
家臣:『お~‥上様がお立ちに‥‥!!』
影虎:『馬鹿者!!』
影虎は怒鳴った。
影虎:『我は御仏に仕えし者、利幸の言うように我はそのような卑劣な行為は絶対にせぬ。』
家臣:『何を悠長な!!』
利幸:『お主らは殿を修羅道に陥れたいのか!!』
家臣:『!!?』
利幸が怒鳴った。
影虎:『甲斐には父を追放し、家督を奪い、他国を大義もなく侵す武田晴信という男と我を同類にしたいのかと利幸は聞いておるのじゃ。』
家臣:『そ‥‥それは‥‥。』
影虎:『我は謀反はおこさん。我は義に生きる。』
家臣:『‥‥‥‥‥。』
影虎は家臣達の反対を利幸共に押し切った。
だが、時代がそれを許さなかった。
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