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緑side
「ヤース、帰ろ?」
「はーい。ほな、また明日ねマル」
教室を覗くとマル先輩と楽しそうにしゃべってた
俺にあんな笑顔を見せてくれることはない
「どぉしたん?今日は遅かったやん」
「おん。ちょっと先生からの頼まれ事しとってん。でも、ここまで遅なるんやったらメールすれば良かった」
ヤスには一緒に帰ってくれる人はたくさんおるもん
俺とヤスは恋人同士やない
ヤスの提案でなった偽物の恋人同士
「せやけど、大倉と帰らなまた噂たつやんかぁ」
ヤスは学校一モテる人気者
俺は学校一のダサ男君
ヤスの毎日に刺激が欲しいって言葉から始まったこの関係
「一日くらい別々でも、なんもないと思うよ?」
思案顔のヤスに言うてみる
「それはそうやけどー」
プクっと頬っぺたを膨らます
そんな仕草も可愛い
でも、そんなことは言われへんくて
控えめに笑うだけにした
気まぐれなヤスやもん
いつこの関係が終わってもおかしくない
だから、これ以上…
好きになったらアカンねん。
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