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その言葉を"待ってました"とでも言うように満面の笑みを称えたれいちゃんを見て、私の不安は見事に膨れ上がっていく。
しかし、一度発した言葉はもう飲み込むことは許されず。
私は引き攣った笑みを返すことしか出来なかった。
正直、油断していた。
先月のれいちゃんの結婚式までの半年間、式場選びに、ドレス選び、招待状の手配から、ケーキの発注、更にはブライダルエステにまで、漏れなく付き合わされた。
『これも結婚式までだから』
なんて母に諭され、何とか気力を振り絞って付き合った。
だから、今朝はゆっくり眠れると思っていた・・・のは私の主観で、よく考えたられいちゃんは一言も『もう振り回さないね』なんて言ってはいなかった。
「で?今日はなに?」
なんか色々面倒になった私は、眉を下げてれいちゃんに向き合った。
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