5人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・郁真」
分かり辛いけれど、これでも驚いている。
自分の彼氏ながら、毎度毎度ふいに現れては背後から声をかけてくるコイツに。
「何か用でも?」
素っ気なく言い放った言葉に、郁真は顔色ひとつ変えずニコリと笑って、近寄ってきた。
「用が無くちゃいけないの?」
「あまり好ましくないわねぇ」
「え~?彼氏なのに?」
「彼氏でも、よ。」
「ん~つれないなぁ。」
「はは。いつものことじゃない。」
私の髪の毛を右手で弄りながら軽口を叩く郁真に、少し辟易としながらも一応相手はする。
一応、彼女・・・だし?
・
最初のコメントを投稿しよう!