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「それで?ホントに用はないの?」
普段は昼休みを教室か屋上で過ごしている郁真が、わざわざこの教室に来るのは用事があるからだと思った。
「んー。まぁ、一応あるな。」
なんだか歯切れの悪い郁真に眉を寄せながらも、からかわずに聞いてみることにした。
「なぁに?」
「うん・・・あの~、今日の放課後・・・暇・・か?」
「へ?」
意外な発言に、素っ頓狂な声が出た。
だって、ここまで照れながら言った言葉が
『放課後、暇?』って。
拍子抜けだ。
「暇・・・だけど?」
なんか、つられて照れる。
いつも軽い郁真が、珍しくしおらしい態度をとるから・・・
「そっか!じゃぁ、一緒に帰ろ?」
え?・・・・・これもまた拍子抜け。
ワケが解らなくて、?マークを飛ばす私を、郁真が心配そうに覗き込む。
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