1・お誘い

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「それで?ホントに用はないの?」 普段は昼休みを教室か屋上で過ごしている郁真が、わざわざこの教室に来るのは用事があるからだと思った。 「んー。まぁ、一応あるな。」 なんだか歯切れの悪い郁真に眉を寄せながらも、からかわずに聞いてみることにした。 「なぁに?」 「うん・・・あの~、今日の放課後・・・暇・・か?」 「へ?」 意外な発言に、素っ頓狂な声が出た。 だって、ここまで照れながら言った言葉が 『放課後、暇?』って。 拍子抜けだ。 「暇・・・だけど?」 なんか、つられて照れる。 いつも軽い郁真が、珍しくしおらしい態度をとるから・・・ 「そっか!じゃぁ、一緒に帰ろ?」 え?・・・・・これもまた拍子抜け。 ワケが解らなくて、?マークを飛ばす私を、郁真が心配そうに覗き込む。 ・
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