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「・・・どした?」
「うわっ!!」
今にもキスできそうな距離にまで近付いていた郁真に驚いて、大きな声が出てしまった・・・
「大丈夫か?」
目の前で大声を出したにも関わらず、心配してくれる郁真。
・・・こういう所が、彼のモテる所以なのかしらねぇ・・・
いやいや、違う。
「ごめんなさい。」
よそ事を考えながらも、郁真の耳を心配して右手で彼の耳を包むように触れる。
「耳・・・大声出して、びっくりしたでしょ?」
眉を下げて申し訳なさそうにする私の頭を、ポンポンと撫でて「平気」なんて笑う郁真は、何だか嬉しそうに見えた。
「で?・・・放課後、どう?」
少しだけ改まって窺うような郁真が可愛くて、小さく笑いながらも、「うん、送ってよ」って答えた私に、郁真は「まかせろ」なんてニコリと笑った。
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