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「ゆい~!ゆ~い~!!」
「っさい・・・」
土曜日の朝から騒々しいのは
どうやら紛れもなく我が家だ。
小さく反応はしたものの
声の主には聞こえてないらしい。
「ゆいゆいゆいゆいゆーい♪」
騒がしいを通り越して
鬱陶しいその声の主は
すごい勢いで二階へと続く階段を駆けてきて、そのまま勢いよく扉を開けた。
私は目を閉じたまま溜息を吐いた。
「ゆい!寝てるの?」
「うん、寝てるの。静かにね」
寝たふりをしても良かったけど、どうせ無理矢理にでも起こされると思うと、それすら面倒臭くなった。
私は、寝起きが悪い方だ。
うん、自覚はある。
だから家族でさえ、休みの日はそっとして置いてくれる。
こいつを除いては。
「起きてるんじゃ~ん♪ならサッサと返事しなさいよ!」
こいつ・・・
朝からイライラしながら重い身体を“ヨイショ”と起こす。
「ねぇ・・・休みくらい休ませてよ・・・れいちゃん・・・」
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