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「おーい。ゆいちゃ~ん?」
寝起きの脳みそで過去を振り返る私をれいちゃんが痺れをきらしたように呼ぶ。
「あぁ、ごめんごめん。なに?」
「だぁからぁ!今日の予定!!」
おいおい子供か・・・
本当に姉妹逆転じゃん。
今日何度目かの溜息は、なるべく小さく吐いた。
いくら家族でも何度も何度も目の前で溜息を吐いては失礼だと思ったからだ。
実際は何度ため息をついても、あからさまに嫌な顔をしても、打たれ強いこの姉は笑顔で食いついてくるんだけど・・・
少し呆れながらも、さっきから自分の世界に入って、頻繁にれいちゃんを放置していた自覚はあるから、
なるべく申し訳なさそうな顔で答える。
「ごめんね。今日は確か空いてるよ。」
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