オラは死んじまった…らしい

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「くっ・・汚れた魂に救済を与えるだけでも忌々しいのだが… 仕方あるまい。」 そう言って閻魔はさっきの水を小さくした物をイースの口元に出し「飲め」と促した。 「要・・らん・と・言って・・いる」 清々しいほど強情だな… 「貴様が罪を償う約束で、貴様の弟を許した。 盟約に従うならとりあえず飲め、そして話を聞け。」 殺気を感じるほどの声と視線、俺なら一も二もなく従うな… なんて思ってたら 「最早・弟は…関係ない、早く…この魂・・ッウ・・・を消せば良い…だろう?」 って…とりあえず、早くこの空気を何とかしてくれ!! 「そうもいかん理由が有るのだ… とりあえず飲まぬなら詰め込むだけだ」 とか言って、閻魔は腕を振り指先でボールを操り、強引にイースの顔を水で覆った。 「ゲホッ・・ガハッ・・・ガハッゴホッ…な…何をする!!?」 閻魔「状態は万全まで回復したはずだ、確かめてみろ。」 そう言うと閻魔は口を閉じた。 「ボックス」 イースは体が動くようになったらしく、左手で胸元を隠し、右手を何もない所に広げた。 次の瞬間俺は目を見開き、イースの手元を見た。 イースの手元は肘から先が無くなり、次の瞬間 腕を引く動作と共に、黒い布を握った肘から先が現れた。 「どうなってんだよ…」 アホ面して呟いてしまった…ハズい。 「で、こいつは…化け物じゃないのか?」 イースは一瞬で布を纏い、俺に目を向けて来たので、俺は… 「えっと…ども、 佐々木俊明って言います。 貴女に師事を仰げと言われました。」 とりあえず挨拶してみたけど、すぐに目を反らされた。 「おい…師事ってのはどう言う事だ?」 「聞いての通りだ。 とりあえず…」 閻魔は口を閉じると、俺に指を向けて来た。 「えっと…」 俺が戸惑っていると、素晴らしい眼差しで口を開く閻魔… 「黙ってろ。」 うん…俺は空気になってた方が良いらしい…泣かせて下さい… なんて思ってたら、閻魔の指先が光出したんだけど、指先は俺に向いている。 嫌な予感以外の予感が全くねぇし… 「何をする気だ?」 イースさん…口に出すより閻魔を止めて下さい… とか思ってると、閻魔が小声で 「少し我慢しろ。」 とか…言い終わると同時に指先から俺の心臓に向かって光線を撃ちやがった… ヤバい…意識が…
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