オラは死んじまった…らしい

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「っく…痛ぇ…熱い…死ぬ…」 朦朧とする意識で感じる事を口に出す俺。 閻魔はそのまま指先をイースの心臓に向けた。 イースは警戒していなかったらしく、そのまま光線を食らったらしい。 「うぐぁぁぁっ… な…何しやがる…」 なんだ?なんか痛くて熱いだけだったのに、イースに光線が当たったと同時に熱いのが温かく、痛いのが心地いい鼓動になっていく… 意識は朦朧としてたのに、今は清々しいほどクリアだ 「なんじゃこれ?」 なんか凄く体が軽くなり、気持ちよくなってきた俺に閻魔が口を開く。 「お前と魔術師にパスを繋いだ、お前たちの魔力はその魔術師と同等、お前の魔力は全く無かったので、足りない分は儂が補充しておいた。」 閻魔が言い終わると、間を置かずにイースがどなる… 「意味がわからねぇな、何で魔盲の奴に魔力を与えるようなことをするんだ?」 二人の言っている意味がわからないけど、どうやら俺は魔法を使えるようになったらしい…マジか!!!? 「魔術師の魂は既に死んでいる、だがお前の魂は生きているのだ。 パスを繋ぐ事により、死した魂は力を取り戻し、生者の魂は力を得た。 そして、お前と魔術師には使命があり、それを全うするための肉体を作るには結構な時間が掛かる。」 ふむふむ… 「つまり、私の贖罪とやらは終わったのか?」 「貴様の罪は、本来終わる事などなく、魂は消えるしか無かったのだが… 贖罪のチャンスを与える。 拒否すれば煉獄に逆戻り 、回復したから消え去るにはまた500年以上掛かるかも知れんと言う事だ。」 「あんな所は二度と御免だ、拒否権は無いんだな…」 閻魔とイースの言い合いが終ったようなので、おずおずと俺の事を聞いてみる。 「あ~…俺に拒否権は?」 「さっきの裁判の、貴様の言葉は記録されている。断るならばそれ相応の罪状が追加されるが?」 「喜んで、お役に立てるよう励みます。」 何の説明も無く、何ちゅう勝手な理屈だよ… 「では、双方異論は無いな?」
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