修行

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師匠について歩いて10分(体感的に)ほど歩いた所で、かなり遠く見える所に 牛らしき生き物が、芝を食んでいるような景色が見えた。 イース「お前はここから弓による狙撃、私は突っ込んでお前が仕留めた獲物を持ってくる、良いな?」 流石我が師匠…ちゃんと弟子の見せ場を作ってくれるらしい。 俺「師匠…ここからって500メートル以上離れてませんか?」 届く訳がねぇだろうが… イース「500メートル? 余裕で届くだろうが。 何の為の弓だ。」 俺「いや…師匠、スナイパーライフルじゃないんだから、普通に無理ですよ。」 あの距離で仕留められるなら銃なんぞ要らんだろ… イース「…とりあえず今射ってみろ」 俺「絶対届きませんよ…」 言いながら弓の弦に矢筈を掛け、思い切り引っ張って射った。 俺「…」 イース「何をやってるんだ?」 はい…半分も届きませんでした・・・ 俺「ってか届く訳ねぇだろぉが!」 ちょっと…いや、かなり理不尽な注文だろ… イース「はぁ…弓矢を貸せ、矢は一本だ。」 当てれるもんなら当てて見やがれってな気持ちで、睨みながら師匠に弓矢を渡した。 イース「よく見てろ、阿呆。」 師匠は頭の上で矢筈を掛け、瞑想しながら梃子の原理で弓を引く。 その動作は、まるで大昔の海外の貴族を思わせる程に優雅で美しい。 師匠が目を開いて、的である牛に狙いをつけた。 次の瞬間、師匠が弓を放つだけで 俺はとんでもない余波に襲われて、思わず尻餅をついてしまった。
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