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俺「師匠、そろそろ腹が減ってきた。
主って何処に居るのか分からないんだよな?」
もう1時間以上森を歩いているんだが、魔物も最近狩り過ぎたせいか全然姿を見せないし、空腹も相まってかなり面倒になってきた。
イース「今日私は何の指示もしない。
腹が減ったら狩れば良いし、先を急いでも良いぞ。」
師匠に言われ、俺はすぐに魔力を練り全身に身体強化を施し、「じゃあ手軽に食えそうなもの取って来るよ。」と答えて走った。
約3分走り、乱立する木々の間を縫い、大きな林檎のような果実が実ってる木を見つけ、果実を取るために跳躍した所でふと違和感を感じて、魔術でシールドを張る。
一呼吸置いて火弾が左方向からシールドに直撃し、結界外を赤く染めた。
数秒赤に染めていた炎は、木々に飛び火するも、視界は戻り、俺はすぐに火弾が飛んできた方向を見て、違和感の正体を把握する。
俺「アイツか…」
違和感の正体は、大きな木に擬態した、巨大な昆虫のような生物だった。
俺はすぐに水の広範囲魔術を無詠唱で放った。
水の竜巻が、炎ごと昆虫を包み、俺は竜巻に向かって雷を放つ
雷により、電気を伴った竜巻が昆虫を巻き込み、周りの炎は鎮火、昆虫は感電しながら竜巻により空中に投げ出された。
数秒空を舞った昆虫は、猛スピードで落下し、ピクリとも動かないのを確認してから果実を取り、師匠の元に戻ろうとした時に後ろから声を掛けられた。
イース「なかなかだな、炎をウォータートルネードで鎮火し、森の主を巻き込んでライトニングボルトで始末したか。」
気配もなく、いきなり声を掛けられた俺がびっくりして振り返ると、久しぶりの賛辞を送ってきた師匠がニヤけた顔で立っていた。
俺「いつから見てたんだい、師匠?」
全く気付かなかったのが悔しかったのだが、師匠だからと無理に納得して、いつから見ていたのかを聞いてみた。
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