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青白い顔した奴が俺の前から居なくなって、後ろには結構な列が出来てやがる…
早い…裁判ってそんなに簡単に終わるのか?
俺の顔も青白いんだろうなぁ?
なんて考えてたら
「次の奴、入れ」
って呼ばれちまった…
中から呼ばれたから、扉を開いて中に入る。
俺が開いた扉はすぐに鬼のような化け物に閉められた。
中に入ると、雛壇状に3段構えに高くなって議席が並び、扉を囲む形で俺の周り180度を囲んでいた。
まるで裁判所みてぇだなんて思ってたら
2段目中央の大きく拓けた議席に、見るからに厳つい、場違いな格好をしたオッサンが、こちらを睨み付けて、低くてよく響く声で訪ねてきた。
「貴様は、生前を己で振り返って、人間らしい生きかたをしてきたか?」
あれ…閻魔大王って人物は着物着て、烏帽子みたいなのがぶってて、手に杓持ってるんじゃなかったのか?
目の前に居るのは、厳つい人間にしか見えない着物みたいな群青色の服を着た、偉そうなオッサン、俺の後ろには鬼が居やがるし、他に【人物?】は見当たらねぇし…
なんて考えてたら、
「無言は否と見なすが、後から異論は認めんぞ?」
とか…
いやいや、ちょっと考えさせろよ…
とりあえず答えない訳にはいかないので、
「す、すみません、人間らし
いかどうかは分かりませんが、生きる努力はしてました」
うん…善悪関係なく生きられなけりゃ話しにならんし…
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