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「では貴様が罪を償う方法についての裁きを申し渡す…
貴様は550年の時を煉獄にて耐えた魂に、無限の狭間にて師事を乞い、200年の修行の後、儂の使徒として使命を果たせ。
これより場所を変え、貴様の疑問に出来うる限り答えよう。」
え?
は?
うん?
何言ってやがる?
狂ってんのか?
「え~っと…は?」
これしか言えん。
「まず、ここは裁きの間である。
これ以上、魂を塞き止める(せきとめる)訳にはいかんので、儂の部屋に移動する。」
閻魔が腕を動かしたと思ったら
視界が光に包まれて、次に視界が開けた時に見た物は…
正面奥に高級ワークデスク、デスクから一歩手前に一畳くらいありそうなガラステーブル、挟むかのように配置された革張りのソファー、壁はすべて本棚が並んでいて社長室って感じの部屋に俺は居た
「さっさと座れ。」
「え?」
ソファーを見ると、居なかった筈の閻魔が座っていた。
「え?あ?いつの間に?」
混乱してたら睨まれました…顔も覚えてないお母さん、助けて下さい…
なんて考えながら閻魔の対面のソファーに俺は腰掛けた。
「まず最初に、普通に死んだ人間は
生前行っていた罪や徳を、死した時点で計られる。
この世界の動植物は人間と違い、本能以外に思考があまり無いので、裁きは受ける事がない。」
「次に、浄化が必要な魂はここ、地獄の門に送られてきて、浄化が不必要な魂は輪廻の環に帰るのだ。
ここまでで質問はあるか?」
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