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「ははは!ゴルドよ!お前も老いたのか!?我がオルティアの精鋭が情けない!」
「ひ、姫様―…」
「父も何を男に脅えておるのか、過去の・・・既にに老いた男一人!私が化けの皮を剥いでくれるわ!」
騎士と思われたのは、ただの偽装。鉄の仮面を脱ぎ捨てて、長い髪を乱し現れたのは紛れも無い女。
遠出の旅では稀に有る事。女の混じる馬車は、素行の汚れた人間の標的に為りやすい。
特に位の高い王族なら尚更。身代金など金が目的の賊には恰好の的なのだから。
利発そうな姫は、乱れた金色の髪に細い指を櫛代わりにして掻き上げると、刀を地面に向けて勢い良く突き刺した。
「オルティアの姫が、堕ちた田舎騎士にお目通し?
馬鹿馬鹿しいな!
父も何故に男の力を欲するのか理解出来ん!!」
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