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「アルベルト!やっぱりここか。」
クリスが息を切らしてアルベルトのもとへ駆け寄っていく。
クリスはアルベルトを探していたようで、にっこりと微笑んでみせた。
「なんでお前がこんな時間にこんなところに来るんだ。」
アルベルトは不可解だとばかりに顔をしかめる。
現在は真夜中で、今いる場所は王宮からは離れた山の開けたところ。
そこからは月明かりに照らされたバウスフィールド王国の美しい城下が一望できる。
「だって今の時期君が来るところなんて決まってるだろ?」
クリスはさも当然とばかりに笑った。
すると後ろからがさごそと草木を掻き分ける音が聞こえてきた。
「ちっ。」
「ちょっとちょっと舌打ちしない。」
クリスが苦笑している間に草影からオーガが出てきた。
「よっ!バウスフィールド王国の城下を肴に酒でも飲まない?」
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