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クリスは少年に手を伸ばす。
『触るな!!』
「え?」
少年が声を発した。
しかし、それは自分たちの言語ではなかった。
少年がよろめく。
クリスが慌てて支えようとするが拒否された。
「どうした。」
そこに医者の父がやって来た。
そして少年を見て血相を変えた。
「だめじゃないか。おとなしくしていなさい。」
クリスの父が険しい表情で少年の方へ近づいていくと、少年は怯えた様子をみせた。
クリスには何故彼が怯えているのか分からなかった。
父は少年を諭しているだけだ。
『来るな来るな来るな………。』
少年はただひたすら同じ言葉を繰り返す。
そしてクリスの父ライモンがあることに気づいた。
「シャルパティエ語?
君はシャルパティエから来たのか?」
ライモンはそう問いかけるが、少年に伝わるわけがない。
「え?シャルパティエ語?」
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