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クリスが父に聞き返す。
「そうだ。おそらくシャルパティエから来たんだろう。
何故かは分からないけれど。」
そして今度はライモンがシャルパティエ語で話しかけた。
ここはシャルパティエとの国境が近い。
シャルパティエ語がしゃべれる人も少なくはない。
『落ち着きなさい。君は森で倒れていたところを拾われてここに運ばれてきたんだ。
大丈夫、ここに君の敵はいない。』
ライモンがそう話しかけるが、少年が警戒を解いた気配はない。
『……―――…。』
『え?』
少年の声は小さすぎて聞き取れなかった。
ライモンが耳をすませる。
『ここは、どこ……?』
今度はしっかりと聞こえた。
『ここはバウスフィールドだ。
バウスフィールドの南端に位置する村だ。』
『バウス……、フィールド。』
すると少年はそれだけを聞くと安心したのか気を失った。
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