1月1日

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「でも、こう人目があるんじゃ手も繋げない。…二人だけになれる場所に行こう…。」 先輩はオレの腕を強引に掴んだ。 「え…?」 そして、人込みをかきわけるように駆け出した。 「あ、あの…人前ですよ…。」 先輩はオレの話も聞かず、ただ一直線に走っていた。 人込みをかきわけ、たどり着いたのは林の中だった。 「やっと二人っきりになれたな。」 「二人っきりになれたなじゃないです、先輩。あんな人前で…」 ―ドンッ。 言葉の途中でオレは先輩に押し倒された。 暗闇の中、先輩の顔がしだいに近付いてくるのを感じた。 「まだ俺を先輩なんて呼ぶのか?そろそろ、名前で呼んでくれてもいいだろ?」 さらに顔が近付いてくる。 唇と唇が触れ合うと思った瞬間、 「リュウさん…!」 オレは先輩を突き飛ばしていた。 「…すみません。」 「いや、名前で呼んでくれたから許してやるよ。それに俺の方も焦り過ぎていた。まぁ、次の目標は呼び捨てにできるようになることだな。」
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