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俺は傍に控えていた荒井に指示を出した。
「向井社長、失礼いたします」
荒井はそう言うと、彬を少し離れたテーブルへと誘導し始めた。
よしっ、チャンスだ!
彬が目の前からいなくなったのを見届けた俺は、即座に千秋の隣に座り直した。
俺の素早い動きに千秋はひどく驚いていた。
しかしそれでも、俺に媚を売ってくることはしない。
あくまでも俺と距離をとることに必死な様子だ。
あーあ、やっぱ俺に反応を示さないのは彬を愛しているからなのか?
それほど千秋はあいつにに惚れているのか?
俺に全く関心を示そうとしない千秋を諦めきれず、彬に対する気持ちがどこまで本物か確かめたい衝動に駆られた。
「今度は二人きりで会わない?千秋ちゃん」
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