14回目のお見合い

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母は急に顔色を曇らせると、淋しそうに言った。 そんな母を俺はやりきれない気持ちで見ていた。 実は俺は母の本当の子供ではない。 俺は父と前妻との間に生まれた子供で、目の前の母とは血の繋がりはなかった。 つまり母は父の後妻だった。 実の母は俺が小学生の時病気で亡くなり、その後父と再婚した母が俺の今の母親になった。 その母親たちが、親友同士だったというから驚きだ。 当時内情に詳しかった荒井が俺にそう教えてくれた。 子供だったころは別にピンとこなかったが、今こうして改めて考えると妙な話だ。 以前ならよくあることだったのだろうか? 後妻になったものの、二人の間には子供はできなかったようだ。 だから後にも先にも俺は兄弟に恵まれず、ずっと一人だった。
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