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おい、普通ここで転ぶか？
見渡す限り転倒する要因などどこにも見当たらない平坦な場所。
俺は女の不可解な行動に疑問を抱きつつ、大丈夫ですか？と声をかけた。
「あ、足が・・・」
そんな俺に女は着物の裾からはみ出した足を指差して見せた。
なんだよ、足でもひねったのか？
俺はそんなことされても何も感じないよ。
すぐにめくれた着物の裾を元に戻し、哀れな女を俺は優しく抱き起した。
こんな俺でも一応上流社会の男たるもの、礼儀くらいは身に着けているつもりだ。
困ったヒトを見捨てることなんてできない。
そんな俺の腕を、女はなんの迷いもなくギュッと掴んだ。
そしてこともあろうか、立ち上がった拍子に今度は俺の胸に身体を預けるよう寄りかかってきた。
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