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「ご、ごめんなさい」
これはおそらく女の計算だろうと俺は判断した。
女のつけているブランド物の香水が、やけに俺の鼻を刺激し俺は少し顔をしかめた。
俺の表情の変化に気づいたのか女は俺からすっと離れると、恥ずかしそうに顔を両手で覆tった。
「私、以前崇さんをお見かけして一目惚れしちゃったみたいなんです。そのことをパパとママに話したら、崇さんだったら大賛成だって、喜んですぐにお見合いの段取りしてくれたんです。私と崇さんが結婚すれば、凄いパイプで繋がることができるから、パパの会社も安泰だって凄く応援してくれました。だから私もうれしくて、今日崇さんにお会いできるのすごく楽しみにして来ました」
おいおい、それを俺に言っちゃぁダメだろ?
仮にそうだったとしても、普通口には出さないものだ。
本当にこの女は・・・・。
呆れかえった俺は、この時点で女に対する決断を下した──
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