14回目のお見合い

23/27

6339人が本棚に入れています
本棚に追加
/364ページ
「誠に申し訳ございません。俺はあなたのお父様の会社のために結婚する気にはなれない」 俺は女にはっきりそう言ってやった。 すると急に女は泣きそうな顔になり── 「ち、違います。そういう意味じゃなくて、えっと・・・・」 この期に及んで見苦しい言い訳をし始めた。 完全に嫌気がさした俺は女にくるりと背を向けると一言── 「では、これで失礼します」 当然見合いはこれで終了。 その後叔母や母は必死に頭を下げていたが、今回ばかりは自分の娘の失態も明らかになり、相手のご両親も逃げるように娘を連れて帰ってしまった。 やれやれ、さんざんな見合いだったな。 まあ、随分俺も大人げないことをしたと反省しつつも、結局俺に見合いを申し込むヤツらなんてこんなもんだと、俺はいつもの結論に至っていた。
/364ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6339人が本棚に入れています
本棚に追加