14回目のお見合い

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「お疲れ様でした」 その夜書斎で本に目を通していた俺に、荒井が声をかけてきた。 この男、どうせまた破談になった俺を心の中で笑っているんだろう。 俺はちらっと荒井の眼鏡の奥を覗き込んだ。 「なにか?」 荒井の声に思わず俺はドキリとさせられた。 洞察力に長けている荒井。 俺の心はお見通しのようだ。 「先程頼木様よりお電話で、先方様よりお断りしたいとの旨、ご報告ございました」 「ははははっ、14回目の見合いも無残な結果に終わったな。どうだ荒井、俺はつくづく「縁」ってやつに見放されているらしいぞ」 苦笑する俺に、いつになく真剣な表情の荒井が言った。
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