二人きりのデート

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今日は千秋とのデートの日。 彬が来れなくなったことで、俺はいつになく浮かれていたのかもしれない。 「今日はご機嫌でございますね」 そんな俺を見た荒井が、いつものようにからかってきた。 しかしそんな荒井の皮肉も、今日の俺には全く通じない。 荒井の言葉を無視した俺は、さっそうと車に乗り込もうとした。 それなのに荒井のヤツときたら── 「聞こえませでしたか?副社長、今日のお戻りは何時ごろになりますか?」 荒井が眼鏡の奥をキラッと光らせながら、しつこく俺に食いついて来た。 いつもなら、そんな荒井を睨みつけ、不満の一つも漏らすところだが、今日の俺はやはり違った。 「そうだなー、そんなに遅くならないうちに帰れると思う。って、おまえ俺をいくつだと思ってんだ?こんなでかい図体しててガキ扱いかよ」 普通に返事をするだけでなく、軽く冗談まで飛び出す始末。
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