苦い初恋

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「おいおい、相手は誰なんだよ」 などと、口々に俺を冷やかし始めた。 その間俺は、必死で耐えるしかなかった。 一人耐えながらも、内心嬉しくて仕方なかった。 そんな時だった。 一瞬彬と目が合ったのは。 あいつ一人だけ、なんなんだ?みたいに目を丸くして、まるで状況を把握していないって顔してたっけな。 確かに彬は俺同様、いやそれ以上に昔から「恋愛」に疎いヤツだったからな。 俺はすでに克服したけど、あいつ今でも疎いんじゃないの? それが証拠にこんなことがあった。 当時俺たちはアルバイトとして家庭教師をしていた。 仲間の中の誰が言い出したのか定かではないが、「賭け」をしようということになった。
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