苦い初恋

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「・・・しおり・・・好きだ・・・・愛してる」 俺はしおりと一つになりたくて、俺は枕の下に隠していたモノを掴もうと手を伸ばした。 その時だった─── 「それ使わないでいいよ。私さぁ崇の子供が欲しいの。だから・・・」 俺は正直驚いた。 俺の子供が欲しいだって!?まだお互い学生だというのに? 「しおり!?」 俺はしおりの腰の横辺りに両手をつき、しおりの顔を見下ろした。 「だって崇っていずれはKURATAの社長になるんでしょ。ってことは結婚すれば私は当然社長夫人!崇の家って超お金持ちだしそれもいいかなぁーって。だから今から既成事実つくっちゃわない?ねっ、いい考えでしょ!」 今まで湧き上がっていたしおりに対する愛情が、すーっと引いていくのを俺は感じていた。 俺は全ての感情を失い、目の前のしおりを見ても何も感じなくなっていた。
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